アルカリシリカ反応(ASR)試験
促進膨張率試験
アルカリシリカ反応(ASR)の恐れのある構造物において、今後どの程度膨張が進行するかを推定する試験です。 促進膨張率試験は、対象構造物からコンクリートコアを採取し、それをコンタクトゲージ用のステンレス鋼球を接着した ステンレス製バンドを巻き付け、促進養生を行い、コンタクトゲージを用いて膨張量を測定する試験方法です。弊社では養生期間が比較的短い「カナダ法」をよく採用しております。
実体顕微鏡観察
コンクリート の切断面で骨材を構成する岩石の種類・コンクリートの組織などを観察します。ASR発生に伴う各現象(反応リムの形成・ゲルの惨出・膨張ひびわれ等)を観察します。
上記写真では、安山岩・流紋岩質溶結凝灰岩共にASR ゲルに充填されたひび割れが骨材内部からセメントペーストへ進展している状態が認められます。 特に安山岩にはひび割れの発生が多く認められ、セメントペーストに密集したひび割れを形成している状態も一部で認められます。
偏光顕微鏡観察
偏光顕微鏡観察では、実体顕微鏡観察より詳細に観察を行います。ASRの進行状況や反応性骨材粒子に含まれる反応性鉱物の種類などを明らかにします。 ASR反応性鉱物にはガラスやクリストバライトがあり、ガラスはマグマの急冷によって結晶化することなく固化したもので、SiO4四面体の結合が不規則で弱いため不安定でASR反応性(遅延~急速膨張性)を示します。 クリストバライトは高温で安定なシリカ鉱物であるが、安定領域よりはるかに低温でも石英に転移せず存在しているもので、熱力学的に不安定でASR反応性(急速膨張性)を示します。
走査型顕微鏡観察(SEM)とEDS定性分析
走査型顕微鏡観察(SEM)では、微小な表面構造を鮮明に観察することができます。科学組成の違いを反映した反射電子像として観察する事ができます。またEDS定性分析を併用して元素分析をする事が可能です。